移民問題ワークショップ(日本法哲学会学術大会@東京大学)

先週末、母校にて法哲学会学術大会でした。

土曜日午後の後半は、移民問題をテーマにしたワークショップ(「移民正義論の今日的課題――移民の社会統合と「デモス」の範囲)でした。「外国人材」受入れのための出入国管理法改正や、中南米からの「キャラバン」など、移民問題に関わる話題が連日ニュース等でにぎわしており、ワークショップを開催する側としてはタイミングにも恵まれた感があります(不謹慎な言い方かとは思いますが)。80名強の参加者を得ることができました。

※大会案内は以下のリンクよりどうぞ。
http://houtetsugaku.org/_userdata//pamphlet2018.pdf

まず西山先生から、アメリカの移民をめぐる制度や政治状況について概観するご報告をいただきました。きわめてわかりやすく、得るところの多い内容で、しかも聴いている側を惹き付ける語り口。聞き惚れました。

次いで拙報告。移民の社会統合のあり方を、平等論から明らかにすることを目指したものでした。文字通り拙い報告であったのですが、きわめて的を射た質問をいただき、(小並感な言葉ですが)とてもありがたく楽しかったです。

井上先生のご報告は、定住外国人への選挙権付与問題を動機として、分析的政治哲学における民主制正当化論を扱うものでした。いつもながらではあるのですが、クリアで、言葉のイメージでごまかさない精緻な内容で、舌を巻きました。

(重複しますが)フロアからの質問も、どれも核心を衝くものでした。時間が限られていて、議論を深めていく余裕がなかったことが、残念でした。しかし、今回のワークショップを一つのきっかけにして、今後やりとりを継続できれば、企画者としても、一研究者としても、この上なくうれしく思います。

改めまして、西山先生、井上先生には、ほんとうにありがとうございました。